私はタイ・バンコクで17年間生活し、現地で子育てをしながら、インターナショナルスクールやバイリンガル幼稚園で日本語教師として働いてきました。その経験を通して感じたのは、タイの人々の日本文化への強い関心と憧れです。日本語を学ぶ生徒やその保護者からは「子どもを日本の学校で体験入学させてみたい」という声も多く聞かれました。
一方、日本では英語教育に熱心な家庭が増え、バイリンガル教育を志向する親も多く見られますが、英語に対する苦手意識やコンプレックスはまだ根強く残っています。本当に大切なのは、「英語が話せること」ではなく、異なる価値観を持つ人々を理解し、受け入れ、共に生きる力=国際感覚を育むことだと考えております。
私の息子は、60カ国以上の生徒が通う英国系インターナショナルスクールで育ちました。その環境は、誰もが対等に尊重され、それぞれの得意分野を伸ばすことが自然にできるもので、日本とは異なる自由で多様性を尊重する雰囲気がありました。そこには、「出る杭は打たれる」といった空気はなく、「自分らしくあること」が当たり前でした。このような経験を、もっと多くの子どもたちに届けたいと思っております。
日本の子どもたちには、アジアという親しみやすい場所で「世界を感じる経験」を。
アジアの子どもたちには、日本の教育や文化を「体験として味わう機会」を。
そんな双方向の学びとつながりをつくることで、次世代の子どもたちが自然に国際感覚を身につけ、人としての広がりを得られる機会を提供したいという想いでこの事業を行っております。